地方自治体相手に「無益な差押え」にもとづく異議申立をしても何の効果もない

「無益な差押」とは簡単に言えば、余力がない不動産に差押さえをしても
何も回収できないので、差押さえしてはいけませんということだ。
これはいずれも法で規定されている。国税徴収法第48条2項がそれなのだが、
地方税においてもそれに従う(地方税法第373条7項)ということになっている。

国税徴収法第48条2項
第四十八条
国税を徴収するために必要な財産以外の財産は、差し押えることができない。
2  差し押えることができる財産の価額がその差押に係る滞納処分費及び徴収すべき国税に先だつ他の国税、
地方税その他の債権の金額の合計額をこえる見込がないときは、その財産は、差し押えることができない。

ところが、破たんした企業の実情をみると
余力のない不動産に地方自治体などから差押さえはばんばん設定されている。

時価1億円の不動産で、根抵当権10億円、債務10億円
といった状況でも差押は公然とされる。

法に違反しているのだが、地方自治体の考えは違う。
高松高裁 平成11年7月19日判決で「必ずしも違法とはいえない」というものがあるからだ。

地方自治体などから無益な差押さえがあったら、異議を申し立ててみると
ほとんど例外なく棄却という文書が1か月後に送られてくる。

税を管理できなければ会社経営は破たんする

おおざっぱにいって、人件費を除く仕入・外注、一般経費と、売上の差額が
消費税の負担に大きく影響する。

黒字という前提でいえば、その差が大きければ大きいほど消費税負担は増加する。

人件費の負担が大きい企業で、その差が大きい場合には
消費税負担は莫大なものになる。

逆に、人件費負担が小さく、利益が少ししかでていない企業の場合
消費税の負担は小さくなる。

法人税や地方税は消費税とは違い、純粋に利益というもので
税額を判断できるのでわかりやすい。

法人税・地方税と消費税の負担を考えながら
どこで設備投資をして、どこでいくらで仕入れるかを考えながら
経営している社長は少ない。

よく言われるが、設備投資で節税をするというが、
機械などの固定資産を買えば、償却資産税が毎年かかることになる。

それらのバランスを考えながら経営していくと
ある程度、税負担をコントロールできることとなる。

これらにさらにキャッシュの要素を加味して考えると
じつはいろいろなアイデアがあるのだ。

手形の正しい裏書

約束手形を支払いに使う場合、その扱いに慣れていればよいが、そうでなければ苦労することも多い。
下記が手形の見本であり、①が表、②が裏にあたる。
手形はその支払期日に資金化されるので、その資金をすぐほしい場合は
割引することになる。

また、これを受け取った場合、さらに支払の方法として使うこともできる。これが「回し手形」だ。
さらに、満期まで待って資金を受け取るために銀行に取立てにだすこともできる。

いずれに使用してもいいのだが、今回は「回し手形」について書いてみたい。

回し手形の場合、
裏書の連続といって、下記で言うと
株式会社ABCが振り出した手形を株式会社DEFが受け取り、株式会社DEFは支払のために株式会社GHIに渡していてちゃんと連続していることが必要となる。

この裏書が連続しないと支払ってはくれなくなる。

そこで、この裏書の最後・株式会社DEFが 屋号もない個人名だったらどうなるだろうか?

基本的に裏書が連続していれば誰が受け取っていようと問題はないのだが、
商売上に使われるものであるため、受け取る側は法人または個人事業主なら問題ない。
ところが受取人に 屋号もない個人名がきた場合、これはその人とそおの一つ前の事業者との間の
金融を意味する。
つまり、個人が融資の担保に手形を取得したとか、手形割引したとかなのだ。

もし、金融でもないというのならそれは表に出せない事情を含んでいることになる。

 

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地方税滞納で無剰余不動産に差押がついた場合、差押解除はできるのか?

「地方税滞納で無剰余不動産に差押がついた場合、差押解除はできるのか?」というタイトルで
書き始めたが、結論から言ってしまおう。

「できないと思ってください」・・・これが結論だ。

無剰余不動産 とは下記の例のような不動産で
差押されてても 余力がないんだから無意味で、そこから
回収できないというものだ。

都道府県、市区町村などによる無剰余不動産への差押は、
地方税法第373条7項、国税徴収法第48条2項により禁止されているが、この条文をくつがえす
高裁の判決を引用して、都道府県、市区町村はそれに対する
異議申し立てを棄却してくる。

これについては日本経営合理化協会のWEBの
坂田薫「債務者のルール」に書いてあるので参考にされたい。

下記の様な例でも異議申し立ては棄却になるのだから、この制度に期待しないほうがいい。

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消費税を払えなくなると会社はどうなるのか?

消費税を支払えなくなった場合、まず税務署から督促の通知が届く。
たとえば、12月決算の会社で決算後消費税が滞納した場合、3月に
督促となる。

そして、税務署に行くのだが、持参するものを指定される。
会社の預金通帳、売掛金の明細などを持参することになる。

預金通帳ではどこの銀行のどこの支店に
何という会社から入金があるか、売掛金の明細から
どんな債権をもっているのかがこくめいに記録されていく。

そして、肝心の「延滞した消費税を1年以内にどう支払うのか?」が問いただされる。
これにまともに答えられない場合、厳しく問い詰められることになる。

消費税を滞納するくらいだから資金繰りがかなり厳しく
1年で完納できるわけなどないはずだから、
ここでゴネると、
行き先は2つに分かれる。

1つは、債権回収できる資産がない場合・・・この場合は、次回訪問で
少額分割支払を認めて、支払用紙を送ってくる。

もう1つは、債権回収できる資産がある場合・・・たとえば、初回訪問時に聞かれた
売掛金などから、この販売先に差押さえをかければ回収できると考えた場合などで、
この場合は税務署は、売掛金や預金の仮差押を平気で行ってくる。

この点に関しては「うちは大丈夫だ」などとたかをくくらないほうがいい。
そして、その次には運転資金がなくなり、会社はいっきに倒産する。

消費税とは預かり金なのだから。

消費税で倒産することは少ないが、消費税滞納で倒産することは多い

あくまでも中小企業にとってという話だが、
3千万円程度の年商の中小企業でも、百万円程度の消費税を納付している
企業は多い。

本則課税を選んで、消費税をなるべく納付しないようにすれば、設備投資が増えて
借入が増加し、その返済のために資金繰りが悪化したり、
仕入れが増えて、借入れ増大、資金繰り悪化、利益増加で、法人税納税額の増加という悪循環にはまる
企業もある。

じっさい倒産した企業の決算をみれば
何期にもわたって消費税を滞納しているところは多い。
他の税金の督促に比べれば消費税はほんの少しおおらかだが、
このことが、経営者を苦しめることになる。

日本経営合理化協会のサイトで「債務者のルール」という
ものを書いていて、最近この話題を書き始めた
ので興味ある方はどうぞ。

こんな「仮差押え」は、絶対やってはいけない

債権もないのに、破たんしたばかりの会社の資産に
仮差押えをかけてくる、あわよくばそこからカネをむしりとろうという
ことが昔ありましたが、残念ながら、その破たんしたばかりの会社の社長のほうが一枚上手で
詐欺師が逃げた例がありました。でも、まっとうな世界の話ではないので・・・。

ところで、

前回、預金に対する仮差押えについて書きましたが、
「こんな仮差押えは絶対やってはいけない」 というものがあります。

たとえば債務者の所有不動産の謄本を見ても
住宅ローンを銀行から借りていて、抵当権の設定日から考えると
融資されたばかり。当然、ローン残高は設定額に近く
時価余力がないはず、したがって、不動産に仮差押えをかけてもおカネはもらえず意味がない。

では、そのローンを借りている銀行の預金口座にはいくらかの預金がおいてあるだろうから、
その預金に仮差押えをかけたらどうだろう? などと考える人もいるかもしれません。

しかし、それをやった場合、仮差押えをおこなった債権者には最悪の結末が訪れます。

債務者Aが住宅ローンを借りている銀行の支店に仮差押えが届く

その銀行は債務者Aの住宅ローンに関して期限の利益を喪失させる

債務者Aは破たんし、仮差押えをおこなった債権者を恨み、
二度と払わなくなる。

こんな悪循環が生まれます。

刺し違える覚悟でもない限り、
こんな仮差押えは絶対やってはいけません。

支払わない債務者に対するもっとも効率的な仮差押えとは?

企業再生家は債務者の側にたつことでも、債権者の側にたつことでも
その力を発揮することができる。

そこで、

今回は支払督促に応じない債務者を、支払わせるようにする
仮差押の効率的な方法
について書いてみようと思います。

まず、債務者の状況を調べることから始まるのが債権回収だけれど、
不動産、預金、債権のどこに、いつ仮差押えをすれば効率的なのか?
がポイントになるわけです。

債務者が一番いやがるものにたいして仮差押えをするのが一番効率的といえる。

抵当権がめいっぱい設定されていて、対応借入れ残も
かなりあるとき、つまり、時価余力のない不動産に
仮差押えは、実質できない。

給料債権に差押えをしても
民事執行法第152条 で、給与の全額の仮差押えは不可能になります。

そこで、預金に対する仮差押えが有効になります。

まず、債務者の勤務先がわかっているなら、毎月、何日に、どの銀行に給与振込されているのかを調べるわけですが、
債務者の勤務先の会社の求職情報をネットで調べると、給料日がわかります。
会社によっては給与振込は取引先であるひとつの銀行と決まっているところもあるので、
銀行も調べやすいと思います。

「支点はどうするのか?」・・・そう、銀行がわかっても債務者が口座を保有している支店がわからなければ
仮差押えは難しいです。(支店名の要否:東京地裁民事執行センター、最高裁 平成23年9月20日決定

支点は、現在、過去の住所地の近くの支店で調べられ、
あるいは会社の取引銀行の支店名でわりだすことも可能です。

そして、給与の振込日が判明しているので、第三債務者である銀行へ配達日指定をして仮差押えをすれば
いいだけなのです。

もちろん、このやり方だと債権額に満つるまで仮差押えが可能です。

参照:

*(差押禁止債権)
民事執行法第152条1.
次に掲げる債権については、その支払期に受けるべき給付の四分の三に相当する部分
(その額が標準的な世帯の必要生計費を勘案して政令で定める額を超えるときは、政令で定める額に相当する部分)は、
差し押さえてはならない。
一  債務者が国及び地方公共団体以外の者から生計を維持するために支給を受ける継続的給付に係る債権
二  給料、賃金、俸給、退職年金及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る債権
2.退職手当及びその性質を有する給与に係る債権については、その給付の四分の三に相当する部分は、差し押さえてはならない。
3.債権者が前条第1項各号に掲げる義務に係る金銭債権(金銭の支払を目的とする債権をいう。以下同じ。)
を請求する場合における前二項の規定の適用については、前二項中「四分の三」とあるのは、「二分の一」とする。

消費税が滞納し始めて、最終的に倒産する会社

直接的な原因ではないが
「消費税が滞納し始めて、最終的に倒産する会社」というものが存在する。

大口の売掛金が焦げ付き、資金繰りに窮して
借入れで対応するも売上、利益とも減少し、
結果として消費税が未払いのままとなるケースなどだ。

だから、消費税が直接の倒産理由とは言いにくいのが特徴なのだ。

事実、倒産する会社の決算書を見ると、消費税が3期分くらい滞納しているケースは多い。

会社が赤字でもこの消費税は支払わなければならないので
本則課税or簡易課税の選択や、消費税を意識した経営などが求められるのだが、
顧問税理士がしっかりしていてもそこまでできている会社はほとんどない。

ただ利益を稼げばいいというだけでなく、
利益を最終的にこのレンジにおさめて、法人税・消費税の税負担を
この程度にする
という目標をもって経営をしている会社があるが、
そこには世に知られることのないような工夫が多く見受けられる。

儲けを出せるビジネスモデルがまずは前提条件だが
創意工夫、改善がなければ、儲けたとしてもキャッシュが残らず
倒産に至るということもありえるのだ。

会社が倒産する原因は、資産にある(2)

「会社が倒産する原因は、資産にある」 と書くと、「どうして?」という答えが返ってきそうだけれど
じっさいに 資産が会社をつぶしているのだからしょうがない。

一定額の銀行融資をしてもらい事業を展開する経営者は多い。
日本の中小企業の多くが自己資本が少ないといわれているが、
消費税の問題だとか制度上の問題点があるから資本金を多くできなことや
じっさいに資金があまりなくて創業することも事実なのだ。

一度銀行融資をしてもらい企業を大きく出きれば
さらに増加運転資金が必要になる。
借入金は負債だからバランスシートの貸方に来て、
赤字でなければその分借方が増加する。

借方が資産と言われるものなのだが、仮にこのようなバランスシートの
会社があったとしよう。

4-8

現金預金は10万円しかないが、売掛金は8900万円もあるのだ。
でも損益を見ると売り上げは5000万円

これ、どうみても売掛金は8900万円のうちのほとんどが回収できないはずだ。

回収できないから支払もできない。しかたなく銀行に担保として自宅をさしだし長期融資を
してもらう。

バランスシートに大きな資産があっても形だけのことも多いのだ。

売掛金でいえば売先が1社に集中しすぎてこのようになるケースが多い。

だから、資産を管理することが社長にとって必要になるのだ。