返済が遅れて期限の利益喪失後、返済の約束を文書で取り交わしても救ってはくれない

信用保証協会つきで融資を受けていた会社が、毎月の返済ができなくなり、
3回延滞となって、信用保証協会に代位弁済された。

その後、事業はなんとか継続することができるようになって、
信用保証協会に毎月返済を始めた。
そこで、信用保証協会から提出を求められたのがこの書類。

この文書(下記)、4年ほど前に担当した破たん会社の「分割弁済の承認願」だが、
代位弁済を受けて事業を継続するのなら提出し、書いたことを履行しなければならないものだ。

これを提出することによって期限の利益喪失をくつがえしてくれるわけでもなく、
何のメリットもなさそうなのだが、
提出せず、返済もしないと、 売掛金に対する差押とかわりと
かんたんにしてくることになる。

「もう事業も継続せず、債務者・保証人の所有不動産も売ってもらってかまわないし、
債務者・保証人の資産も全部さしだすから」というのならまだしも
破たんしても事業を続けるなら、毎月返済をしていかなければいけない。
たとえ、それによって期限の利益が元に戻らなくて、融資もいっさい受けられないとしても。

bunkatsu

社長が突然死した場合、会社はどうなるのか?

社長が突然死亡した場合
銀行、信金などの金融機関からの借入れが残っていた場合、
その債務はどうなるのだろうか?

子供などの相続人が相続して、その会社の新社長になる場合。
跡継ぎがいなくて従業員がその会社の社長になる場合、
そして、誰も会社の事業を継続しない場合
で答えを書いていこうと思う。

信用保証協会付もプロパーもほぼ同じやり方をするのだが、
下記フローは信用保証協会付の事例で書いておきました。

事業承継する人がいて、その人が相続人でない場合は
その人が 銀行と信用保証協会の適格性の判断を受けて
全債務を債務引き受けする。ただし死亡した前社長の保証契約は、はずさない。
これによって財産を相続した子供なども保証債務を背負う。(重畳的債務引き受け)

そして子供が社長になった場合、相続財産をその子供が一人で相続するなら相続・債務引き受け。
相続財産を受け取る相続人がいるのなら、保全がとれるかどうかで判断して、
重畳的債務引き受けという金融機関側の判断になります。

故人の資産は相続されますが、負債も相続されるので
もしも万一不安があるなら生前に
資産防衛を考えておくべきです。

140327

バランスシートの「資産」が原因で倒産する会社は多い

『バランスシートの「資産」が原因で倒産する会社は多い』
などと書くと誤解を受けやすいが、
じつは 倒産の多くがこの「資産」に起因している。

たとえば、バランスシート(貸借対照表)の左側
いわゆる、資産の部分が大きく減って債務超過になり、資金繰りが苦しくなったときに
銀行融資がしてもらえず倒産するとかのケースだと、

(1)取引先が倒産してしまい、売掛金という資産が回収できず、その結果
買掛金の支払いができなくなる。そして、その結果として仕入が思うようにできなくなり
銀行融資もでなくなり倒産するとかがそのひとつのケースだ。

もちろん、これ以外にも「資産」原因の破綻事例はたくさんある。

(2)単純利回り20%というたいへん良い収益不動産のビルを購入したが
賃借人の会社が退去してしまい、新たな入居者が決まらない。
しかたなく、売りに出すが時価が2億円と高額で、収益率も下がっているために
なかなか思うような金額で売れない。
不動産屋からは「5千万円くらいの不動産なら融資が付きやすいので売りやすいんですがね」
と言われている。

とかだ。

もっと違うケースもある。

(3)会社で取引先の株式をかなり所有していたが
株価低迷の影響で、銀行が再評価した結果
債務超過となり、取引先の先行きにも不安があるため新規融資が中止となった

というケースもある。

会社が資産をもつときには
さまざまなリスク要因を考えないと
思わぬ倒産理由になることもあるのです。
たとえ、その資産が売掛金であろうとも。

破たん状態で、民事再生、破産などの法的手続を安易に出口として選ぶと・・・。

破たん状態なら民事再生、破産などの法的手続を選ぶということもいいかもしれない。
だけど、
その前に自社の状況を診断してもらったほうがいい。

病気で病院にいっても一応の検査・診断の後に
薬をくれるはずだ。

「資金繰りが苦しいのですね」と言い、決算書をさらっと眺めて
「破産ですね」と手続をすすめるのでは救われない。

もしかしたら、その絶望の状況の中に
希望があるかもしれないのだ。

だから、 即座に民事再生、破産などの法的手続を選ぶということは
好ましくないのだ。

現実に今手がけて1年になる案件は
赤字で経営破たんし、期限の利益が喪失されたのにも関わらず 
たった1年で復活し、今期は数百万円の営業利益をあげている。

もちろん通常の形態ではないがそれも2年程度で
まともになるはずなのだ。

信じるものは救われる

信用保証協会付融資の代位弁済、これからどうなる? -担保がある場合-

信用保証協会付融資で借り入れをしていて
返済が延滞し続けた場合、

信用保証協会が直接に所有不動産に根抵当権をつけている場合や
借りている銀行が担保をつけている場合、
その不動産はどうなるのか?

そのフローを書いてみます。

信用保証協会付融資の代位弁済のフロー -担保がある場合-

信用保証協会付融資の代位弁済、これからどうなる? -担保がある場合-

信用保証協会付融資の代位弁済、これからどうなる? -無担保の場合-

信用保証協会付融資で借り入れをしていて
返済が延滞し続けると、
まず督促があり、次に内容証明郵便が届きます。

そこには「銀行取引約定書x条にもとずき期限の利益を喪失します」
と書かれています。

この内容証明郵便がきたら、
もう事業を継続するのは困難になります。

なぜ? といえば、 「期限の利益喪失」とは
即刻、全融資金を返済しなさいということだからです。

1億円の融資残があれば 1億円即刻返済しなければならないのです。

そして、この期限の利益喪失は、ほとんどの場合で
融資を受けているほかの銀行でも同じ事態を招きます。

代表的な借入・信用保証協会付融資の無担保のケースで
考えると
返済ができなくなってから、融資を保証している信用保証協会に移ります。これを代位弁済といいますが、そのフローはこんなふうになります。

信用保証協会付融資代位弁済フロー、無担保の場合
信用保証協会付融資代位弁済フロー、無担保の場合

会社が破たんするとどうなるのか?

「会社が破たんするとどうなるのか?」
経営危機に直面した企業の経営者なら
誰もがそう考えるところ。

でも、破たん後の道がどうなっていくのかちゃんと説明できる
人は少ないのです。

破たん経験者に聞いてみても、その知識は正直役に立たない。
「なぜ?」っていうと、その会社の保全バランスや個人資産
はては、連帯保証人の状況によっておのずと対応が違うからです。

実際に事業が破たんの危機になったら
手前味噌ですが、私の本を読んでみてください。

何ができて、これから先どうなっていくかがわかる目安になると思います。

と、ここまで書いて宣伝ぽいですが、我ながらお勧めです。