利益を信じきってはいけない

よく、利益をだすことが大事だとか、黒字にすることが重要だといわれるが、
「利益」とは、中小企業だと税法、税務会計というルールの上にできあがる架空のものなのだということを理解している人は少ない。

これを業務上横領を例にして書いてみるとこうなる。
横領で会社が損失を被った場合、それはすぐには損失にはならない。
「そんな馬鹿な!?」 と思うかもしれないが、 法人税基本通達2-1-43にはそのような
規定がある。

不法行為に係る損害賠償金等の帰属の時期 -法人の役員等による横領等を中心に- 参考ページ国税庁HP

法人税基本通達2-1-43について、「・・・・・・その相手方が「他の者」に当たらない場合、すなわちその法人の役員又は使用人である場合には、通達上その取扱いは明らかにされておらず、上記通達の趣旨解説において「例えば、役員の場合にはその行為が個人的なものなのか、それとも法人としてのものなのか峻別しにくいケースが多いことから本通達をそのまま適用することには問題がある場合が多い。」とし、「役員又は使用人に対する損害賠償請求については本通達の取扱いを適用せず、個々の事案の実態に基づいて処理することとされている。」と記述されるにとどまっている」

「1 その損害がその法人の役員又は使用人による横領による損失であるような場合には、通常、損害賠償請求権はその時において権利が「確定」したものということができるのであるから、被害発生事業年度において、当該損失の額を損金の額に算入するとともに、損害賠償請求権を益金の額に算入する」

(上記参照ページよりの抜粋)

上記からわかるように業務上横領がされた場合、即座に純粋な損失にはできず、
その結果、これによって納税額が減ることはないことになる。
具体的にイメージとしては下記のようになる

横領だけでなく貸倒などにおいても税務会計では、利益を減らし、納税額を減らすことには
きわめて消極的になる。

だから、利益も大切だが、それは税務会計というものによって作られた仮のものであり、
それのみを信じるのではなく、コンパクトでバランスのとれた財務状況化かどうかを日ごろから
チェックすることがとても重要になるのだ。